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日本全体で動物の殺処分ゼロは果たして可能なのか?

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日本全体で動物の殺処分ゼロは果たして可能なのか?

日本の殺処分率は非常に高い


日本

 理由があってペットを手放す人は多いですが、残念ながら日本ではそのようなペットを殺処分しているという事実があります。例えば、2012年に捨てられた犬や猫の数は約22万匹で、そのうち殺処分されたのが約17万匹です。つまり、殺処分率が約77%という非常に高い数値になっているのです。

 また、新たに飼い主に引き取ってもらった犬や猫の数は、たったの3万匹と言われています。非常に高い殺処分率だと思われますが、実は40年前に比べると、殺処分率は右肩下がりになってきました。40年前は信じられないことに、年間で約115万匹の犬や猫が殺処分されてきたという歴史があります。しかし、近年になってようやく北海道や神奈川の動物保護センターで年間の殺処分数がゼロになるなど、昔に比べて殺処分数は確実に減っていっています。

 目に見えて殺処分の数が減っていっているのは事実なのですが、実は、そもそもドイツでは殺処分数自体がゼロという、日本に比べると非常に驚くべき事実があります。ドイツからすると、日本が信じられないようです。確かに日本とドイツでは法律が違いますので、一概にドイツが優れているとは言えないかもしれませんが、そもそも犬や猫を殺処分しなくてはいけないと考えること自体がおかしな話です。ドイツでは、なぜ日本は殺処分ゼロにならないのか不思議に思っているようです。中には、「日本は犬猫のアウシュビッツだ」と批判している人もおり、動物を収容するということ自体がおかしいと思っている人が大多数いるのです。



なぜドイツは殺処分ゼロなのか?


ドイツ

 では、なぜドイツは日本とは違って犬や猫を殺処分しないのでしょうか。実はドイツでは、動物保護法という法律が1933年に制定され、それ以来動物は大事に扱われてきたのです。ただ、当時は動物愛護の精神というよりも、むしろ政治的な理由で動物を保護するという意味合いが強かったそうですが、それでもこの法律によって近年もドイツでは動物が殺処分されずにいます。

 当然、中には重い病気になる犬や猫もいるので、そのような動物は安楽死という手段を取ることもありますが、いわゆる殺処分というのはドイツでは存在しません。ナチス時代のドイツはユダヤ人を迫害したという歴史がありますので、近年はむしろ暴力に対して敏感になっている傾向があり、そもそも動物を殺処分するという概念自体がないのです。

 また、いわゆる「噛み癖」がある犬であっても、すぐに人に危害を加える凶暴な犬だと断定さずに、まずは犬の専門家によって調査した後に、その犬がリハビリによって噛み癖を直すことができるかどうかを考えます。日本のように、安易に殺処分をするという考えはドイツにはないのです。時間をかけてでも、その犬を教育するという手段を取ります。

 そして、仮に安楽死させるにしても、獣医学的観点から見て正当な理由がないと安楽死は認められておりません。日本のように簡単に殺処分するというわけではないのです。ドイツからすると、とても優しい日本人がなぜ動物を殺処分するのかが理解できないようです。生物を大切にするという観点からいうと褒められたことではありませんが、あまり多くなりすぎて「世話をすることができない」「莫大な予算がかかる」となってしまう可能性を考慮した結果、このような制度が成立しています。



神奈川が殺処分ゼロを達成


神奈川

 日本において殺処分ゼロというのは無理なのかというと、実はそうではありません。例えば、平成25年度では、札幌市、神奈川県、熊本市が犬の殺処分数がゼロになり、26年度では神奈川県は犬と猫の両方で殺処分ゼロという数字を達成したのです。

 なぜ神奈川県は殺処分ゼロを達成できたのかというと、神奈川県ではボランティア活動が活発で、ボランティアの方が一生懸命殺処分ゼロを目指しているからです。単純に捨て犬や捨て猫を飼いたい人に譲るのではなくて、その人達がきちんと飼育できるかどうかまでチェックすることによって、再び犬や猫が捨てられるという悲劇を未然に防いでいるのです。また、神奈川県では県庁の駐車場にて捨て猫や捨て犬の譲渡が行われているなど、県全体が殺処分ゼロを目指しているという動きがあります。

 確かに、迷い犬や迷い猫を収容している間に病死してしまうことはあるようですし、怪我や病気が酷いときには安楽死という手段を取ることもあるそうですが、いわゆる殺処分というのは神奈川では行われていません。神奈川の動物保護センターでは、犬や猫に限らずうさぎや亀などのたくさんの動物を収容しており、犬や猫と同じように新たな飼い主の元にきちんと引き渡しています。

 このように、近年の日本では、自治体が積極的に殺処分ゼロを目指しているので、昭和に比べると殺処分数が非常に少なくなりつつあるという傾向があります。ただ、もちろん自治体などのこのような活動も大事ですが、そもそも犬や猫などの命を軽く見ている人間の方にも問題があります。ですから、殺処分ゼロを目指すためには、私達の意識も変える必要があります。ヒューマニン財団の活動報告はこちら

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