殺処分ゼロを目指す公益財団法人ヒューマニン財団

殺処分ゼロと野良動物の関係

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殺処分ゼロと野良動物の関係

殺処分ゼロは動物愛護団体が常に主張する目標であり、そして同時に行政も目指すところです。
行政は確かに殺処分を実行している側ではありますが、それは決して犬・猫が憎くて行っているわけではありません。
衛生上の問題、保護スペースの問題、保護にかかるコストの問題など、さまざまな問題はすべて人間の都合です。
行政は人間たちの都合を代理で行っているだけであり、その責任はこの日本と言う国に生きる全ての人にあると言えます。
さて、では殺処分ゼロを実現できないことの原因はどこにあるのかというと、ここで原因とされやすいのが野良犬、野良猫などの野良動物の問題です。
例えばどこかの家から逃げ出してしまった犬、猫が野生動物となって繁殖してしまったというようなことは、特に問題にされやすいことでしょう。
ただしかし、このことと殺処分ゼロが実現できないことの関係性はそこまで大きくないというのが実際のところです。
確かにこうした問題が完全に解決できたわけではありませんし、野良猫に関しては非常に多く見られています。
ですが現実的に、完全に野生の状態の動物が保健所によって捕獲されるというケースは比較的珍しくなっています。
これはどうしてかというと、基本的に殺処分されるような動物、保健所に保護される動物の多くは飼い主が捨てた犬猫、迷子になってしまった犬猫などが多いからです。
飼い主の病死や転勤などで保健所に引き取られた動物もいますが、それもそこまで多くは無く、ほとんどは飼い主の管理の問題が根底にあります。
野良犬は30年以上前の日本国内であれば多くみられていましたが、こうした犬に関しては既に大部分が捕獲され、処分されました。
野生の犬は狂犬病を有している可能性があり、そして人間が狂犬病に罹患してしまえば、高確率で死に至るからです。
ここでもまた人間の都合が出てきますが、そうした事情がある以上、人間は野犬を多く処分してきたという事実があります。
現代であってももし野犬が見つかったとなれば、狂犬病予防法第6条に基づいて捕獲され、処分を受けることになります。
野良猫に関してはそうしたリスクが低いために放置されていますが、交通事故や病気などによって命を落とす猫は少なくありません。
こうしたことを考えると、野犬などいわゆる飼い主がいない状態の動物がいるから殺処分ゼロは達成できないのだとするのは現実に即していないと言わざるを得ないところがあります。
むしろ問題になっているのは飼い主がいるはずの動物たちですから、「野生動物がいるから殺処分ゼロは出来ない」というのは単なる定款でしか無いと言えます。

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