殺処分ゼロを目指す公益財団法人ヒューマニン財団

殺処分ゼロは収容スペースの問題があるから難しい

殺処分ゼロは収容スペースの問題があるから難しい

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殺処分ゼロは収容スペースの問題があるから難しい

殺処分ゼロは犬や猫、動物を愛する人にとって必ず目指すところであり、また行政としても一つの目標として据える部分です。
殺処分とは保健所や動物愛護施設などに収容された野良猫、野良犬の中でも、一定期間以上その施設に保護され続けた動物たちを引き取り手のないものとして判断し、二酸化炭素で殺処分するという処理になります。
現実として殺処分ゼロというのは各地方自治体でも達成できている行政が少なく、常に動物愛護団体などの批判の的になっています。
ただしかし、行政としても殺処分ゼロを全く目指していないわけではありません。
むしろ牛や豚などの畜産動物とは異なり、人間により近いパートナーとして生きることが多い犬や猫といった動物を殺さなくてはならないという業務は、各施設に勤めるスタッフにとって凄まじく重い負担になっています。
ではどうして殺処分ゼロが実現できないのかというと、この理由はいくつかあるものの、特に大きいのが収容スペースの問題です。
犬や猫は人間よりも小さいことが多いとはいえ、収容スペースは無限に用意できるわけではありません。
誰かが引き取ってくれるかもしれない動物を、何十匹もまとめて一つのスペースに入れるということはできませんし、倫理上にも問題があります。
そのため収容スペースとしては保護用の檻を用意しなくてはなりませんが、この檻は当然ながら有限です。
そして、平成25年度の東京都動物愛護相談センターの状況を見てみると、平成25年だけで犬は707頭、猫は1639頭も保護されています。
これは子犬や子猫も含む数ではありますが、これだけの動物を一つの施設で保護し続けるということは現実的ではありません。
そして殺処分をせず、それぞれの動物が天寿を全うするまで保護し続けるとなると、収容スペースは無制限に増やしていかなくてはならなくなるでしょう。
もしその半分が一年間で天寿を全うしたとしても、翌年に同じ頭数が保護されれば犬・猫を合わせた保護頭数は3500頭を超えます。
殺処分ゼロを目指すということは非常に良いことです。
しかし、ただ単に「殺さなければ達成できる」というようなものでもありません。
繰り返しますが、収容スペースは有限であり、そして現代、そのスペースを圧倒してあまりあるほどの動物が捨てられ、引き取られています。
行政だけ、動物愛護団体だけが殺処分ゼロを目指せばそれは達成できるというような物ではありません。
現在必要となっているのは、命を守るという人として当然のことを、全ての人が出来るようにする環境と言えます。

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