殺処分ゼロを目指す公益財団法人ヒューマニン財団

殺処分ゼロへの意識を高めよう

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殺処分ゼロへの意識を高めよう

命について考えよう


日本で年間どれだけの犬猫が殺処分されるかご存知でしょうか。環境省が発表した統計資料によると、2014年度だけで10万匹を超える犬猫が殺処分されています。同年度に動物愛護センターなどに引き取られた犬猫は15万匹以上で、うち約2万4千匹が飼い主の依頼による引き取りでした。なぜ飼い主が、可愛いはずのペットを動物愛護センターなどに持ち込むのでしょうか。その多くは、転勤等で飼えなくなった、予定外の出産で貰い手が見つからなかったなど、飼い主側の事情によるものです。ペットである動物たちにとっては、愛護センターに引き取られなければならない理由などないのです。
犬の平均寿命は10年から13年とされていますが、犬種や環境によってはもっと長く生きる犬もいます。猫の平均寿命も犬とほぼ同じ10年から15年ほどで、ギネス記録では38年も生きた猫がいます。動物を飼育するということは、10年から15年という長い年月を共に生き、最期をきちんと看取る覚悟が必要です。
もちろん、飼い主にも様々な事情はあるでしょう。転勤や結婚、出産、そのほかにも経済的な理由や病気のためなど、ペットの世話ができなくなる状況は考えられます。それでも、動物は命です。簡単に投げ出して良いものではありません。万が一の場合に備えて、引き取り先の目星をつけておくなどの対策を講じておきましょう。
また、避妊手術をしておくことで、予定外の妊娠出産を回避することが可能です。特に外飼いの犬や猫は、飼い主の目が行き届かないので、気が付いたら子犬や子猫が生まれていたなんてことにもなりかねません。すぐに里親が見つかれば良いですが、運悪く引き取り先が見つからないということになったら途方に暮れてしまいます。手術には費用がかかりますが、避妊をしておくことで妊娠だけでなく病気が防げることもあるので、ペットのためにも手術をしておくことは大切です。
飼育中はもちろん、飼育できなくなった場合に備えることも飼い主の責任です。人間の都合で簡単に奪われて良い命などないのです。

自治体による取り組み


殺処分を減らす活動は各自治体でも行われています。熊本市動物愛護センターは殺処分ゼロを掲げた先駆者的自治体で、実際に殺処分ゼロを実現させた年もありました。その他の自治体でも殺処分ゼロへの取り組みが行われており、札幌市や旭川市では犬の殺処分ゼロを達成しています。さらに、神奈川県動物愛護センターも、犬猫の殺処分ゼロを達成しました。このように、殺処分ゼロを実現させようと取り組んでいる自治体は他にもたくさんあります。
どのような取り組みを行っているかというと、動物を持ち込む飼い主への啓発はもちろんですが、迷子になって保護されたものの飼い主が見つからない動物や、捨てられて路頭に迷っているところを保護された動物に、新しい飼い主を探す活動なども積極的におこなっています。
動物愛護センターは「殺処分するための施設」ではなく、「保護した動物たちを生かすための施設」に変わろうとしているのです。しかし、自治体だけの活動ではなかなか難しいのも現実です。そこで、民間団体やボランティアの人たちが協力して殺処分ゼロを目指しています。

殺処分ゼロへの取り組みは民間でも


動物愛護の先進国とされるドイツでは、第三者も納得できる理由がなければ殺処分はおこなわれません。飼えなくなった動物は「ティアハイム」と呼ばれる民間の施設で保護されます。ドイツでは一部の地域を除いて生体販売が認められていないため、ペットを飼いたい人はティアハイムで探すのが一般的です。そのため、ティアハイムに保護された動物たちの約90パーセントが新しい飼い主に引き取られているのです。
このような現状から、年間10万匹もの動物が殺処分されている日本の現実を考えると、意識が低いと言われても仕方がありません。しかし、そんな日本社会でも少しずつ意識の変化が起きているのです。それが殺処分ゼロへの取り組みです。
自治体の取り組みついてご紹介しましたが、その活動を支える民間団体やボランティアの存在はとても重要です。民間団体は動物愛護センターなどに収容された犬猫だけでなく、保護団体や飼育が困難になった個人から動物を引き取り、自団体が運営する施設で飼養を行っているところがあります。これは、ドイツのティアハイムのような施設です。
終生飼養されることが基本ですが、webサイトを通じて新しい飼い主に譲渡するシステムもあります。また、動物の個々の特性によっては専門トレーナーの訓練を受け、アニマルセラピー活動をする犬や猫もいます。動物愛護センターなどに保護されている犬や猫を引き取ることはできなくても、民間団体の活動を応援することはできます。まずは動物たちの置かれている現状を知ることから始めましょう。ほんの少し意識を変えるだけで、救われる命があるのです。

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