殺処分ゼロを目指す公益財団法人ヒューマニン財団

殺処分ゼロを達成するためにしなければならないこと

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殺処分ゼロを達成するためにしなければならないこと

殺処分ゼロに向けて取り組む自治体



日本では1日に350匹の犬や猫が殺処分されており、多くの自治体で殺処分ゼロに向けての取り組みが進められています。しかし、犬猫より人間を大事にしろという声も多く、人間の生活に対する予算が最優先で動物保護に関する予算は二の次になってしまうことが課題の1つでもあります。

ペットより人命優先という考えが未だに強く、災害が起こると多くのペットが亡くなってしまうのが日本の現状です。自治体が殺処分ゼロを早く推し進めるためには、人間にも動物にも平等な福祉の精神を持つという意識を日本人に根付かせることが必要かもしれません。広島県の町では犬舎の建設のために、ふるさと納税を活用するなどの取り組みをしており、予算があまりない自治体でも工夫次第で達成することもできるようです。

殺処分ゼロを達成するためには、引き取り手のないペットが最後まで生活できる施設が必要ですし、野良犬野良猫の避妊・去勢手術をする必要があります。埼玉県では野良猫が年に3回15匹以上の子猫を生むことで犬に比べて殺処分の削減率が低くならないことから、野良猫に避妊手術をして繁殖を抑えて、エサ場やトイレを設置して地域で野良猫を最後まで見守ろうという取り組みをしています。

殺処分ゼロを達成した自治体でも、殺処分されない県に捨てれば殺されることはないため、捨てにくる無責任な飼い主が増えるのではないかという懸念もあり、これからも取り組みは続いていくようです。多くの自治体が動物愛護団体と連携をして取り組んでいます。殺処分ゼロにするために自治体から愛護団体に動物を移動しているだけという批判もあり、愛護団体にかなりの負担がかかっているとも言われています。自治体と民間団体の協力関係のあり方も今後課題になってくると思われます。



殺処分ゼロを目指してできること



自治体だけではなく様々な団体が殺処分をなくすための活動をしており、ボランティア活動をやってみたいという方は参加することができます。殺処分ゼロを達成している県ではボランティア団体の貢献が大きく、今後も様々な地域でボランティア団体の力が必要とされています。興味があるが仕事で時間がないという方でも、ボランティア団体への寄付や物資の援助などで貢献することが出来ると思います。殺処分削減に向けて貢献したい方は、ペットショップで買うのではなく、保護施設などで譲渡してもらうこともいいかもしれません。悪質なブリーダーやペットショップに捨てられた犬をボランティア団体が保護をして飼い主を探すケースも多くなっています。

犬をペットショップで買う場合、子犬を買って育てたいという方が多いと思いますが、子犬を飼う場合飼い主がしつけをしなければいけません。しつけをちゃんとしなかったことで、世話が大変になり捨ててしまう飼い主も多くいます。保護団体に保護された犬は保護団体がしつけのトレーニングをしている場合も多く、世話に手間がかからないという利点があります。保護された犬は2,3ヶ月の子犬もいますが、10歳以上の病気やケガの犬も多くいます。元気で健康な子犬を一から育てていくというわけにはいきませんが、不遇な環境で育てられたペットが新しい飼い主の元でどんどん元気を取り戻していくことに喜びを感じることもあると思います。ペットを譲り受ける前に講習を開いている保護団体もありますので、責任を持ってペットを飼うという自覚が芽生えると思います。



殺処分のないドイツと日本の違い



殺処分ゼロを達成しているドイツでは事情があって犬を飼えなくなった場合、ドイツに1000以上ある民間の動物保護施設に保護され新しい飼い主が現れるまでここで生活します。新しい飼い主が出来なかった場合でも最後まで保護施設で生活をすることができます。費用は会員の年会費や寄付金で賄われており、ドイツではかわいそうな動物を助けることが当然だと思う考えが根付いているようです。日本では当たり前のように犬猫がペットショップに陳列されており、おもちゃを買うように衝動買いをして後で世話に困って捨ててしまうという飼い主も多くいます。

ドイツでは無責任にペットを飼わないようにするためにも犬猫の陳列販売は禁止されており、犬を買いたい場合はブリーダーに頼むか保護施設から譲渡してもらうしかありません。その結果、保護施設で保護されている動物の9割以上が新しい飼い主のもとに引き取られています。日本では保護された犬猫が新しい飼い主に引き取られた割合は3割程度という現状になっています。ドイツで犬を飼う場合、犬を飼うことに適している人物か審査があります。また、無責任に犬を飼わないようにするために、犬税を支払う必要があります。ドイツには動物保護法があることで、犬を放置したり虐待したりすると罰金や禁固刑など厳しい罰則が科せられます。

ドイツでは動物愛護の観点から様々なペットに関する法律があり、日本も見習う必要があるようです。欧米では公共の乗り物やスーパーなどにも犬を連れて歩くことが出来るのが当たり前の社会になっており、犬や猫と共存して生活することが文化として定着しています。ペットに対する日本人全体の意識を変えなければ殺処分ゼロを達成することは難しいかもしれません。

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